今観たいフィンランド映画:浮雲
皆さん、フィンランド映画というと邦画の「かもめ食堂」を思い浮かべる方が多いと思います。 独特な世界感を持つフィンランド映画、他にも面白い作品がありますよ!
今このご時世に私が観たい/お勧めしたいフィンランド映画は、アキ・カウリスマキ監督「敗者3部作」の1つ、「浮雲」です。(1997年 日本公開)
「敗者3部作」というのは、とことん不運・不幸・どん底の人達を描いた作品で、その悲惨さが半端なくて、笑わせようとしているのか本気なのか分からなくてクスっとなったりします。その中でも「浮雲」は観終わって希望が持てて、前向きな気持ちになれます。
ネタバレするので詳しくはお話しませんが、不況下で共に解雇されてしまった夫婦のお話です。生活のために真面目に努力し模索する妻、対照的にバカな行動を繰り返すダメ夫。 最終的には行動力、運、人脈に助けられて夫婦は明るい方向に前進します。
カウリスマキ映画の常連女優、カティ・オウティネンさんの “無” の演技がいいんですよ。この時期のカウリスマキ映画は小津安二郎監督の影響が見受けられて、独特なカット割り、セリフの間合い、無表情な演技が見る側をぐっと引き付けます。
昔のヘルシンキの街の様子や生活様式が見られるのも、お勧めのポイントですよ!
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